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乳歯物語

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あれは一月ほど前のことだったでせうか。夜中に突然起き出してたろうが「歯磨いてくる!」と涙声で言うのです。聞くと下の前歯が虫歯でぐらぐらしているそうな。たろうは虫歯なしなので、私が安心させようと「たろちゃん、それは虫歯ちゃうで。大丈夫!こどもの歯が抜けて大人の歯にはえかわるんやで」と優しく言うと、たろうは顔をゆがめて泣き出しました。

「大丈夫やで。たろちゃん。なんで泣くん?虫歯ちゃうで。ちゃんと寝る前に歯磨いたやん」
「こどもの歯ぁちゃん抜けるのいやや〜!」

たろうはさめざめと泣いて歯を触り、「こどもの歯ぁちゃんぎゅむしてるねん」と言ふのです。
以来、抜けないようにそれはそれは大事にしていました。

「たろちゃん、あんまり大事にしてたら、こどもの歯が邪魔になって大人の歯がゆがんではえてくるかもよ」
「いやや〜!それはいやや。でもこどもの歯ぁちゃん抜けるのもいやや〜!」
「歯ぁちゃんそろそろ抜けたいんちゃう?僕そろそろたろちゃんのお口の中からどっか外へ出て冒険に行きたいなぁ〜とか言ってんちゃう?」
「そんなん言うわけないやん。まだ赤ちゃんやのに。ずっとたろうのお口の中にいたいに決まってる!」
「さ、さいでっか」

そしてとうとう抜けそうになった晩、あまり寂しそうに泣くので思わず私ももらい泣き。なんのこっちゃ。そばでまめがぽかんとしていました。たかが乳歯、されど乳歯ってか?たろうは、お風呂の中で抜けて排水口に流れてしまったら嫌だからと、その日はお風呂に入らず寝床につきました。

そして明け方、ふとんをひっくり返して抜けた乳歯を一緒に探し、大事にとっておくことにしました。といっても、適当な入れ物が見つからず、たろうの初めて抜けた乳歯は、なぜかすずのへその緒と同居することに相成ったのであります。めでたし、めでたし。(たろうのへその緒はどこいったんだろう?)
by mizu-kusa | 2011-01-22 20:36 | へんてこ育児
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